日本の中小企業における経営者高齢化とM&A市場の関係
日本の中小企業における経営者の高齢化が加速しています。帝国データバンクの調査によれば、2022年時点の全国の社長の平均年齢は60.4歳に達し、32年連続で上昇を続けています。特に中小企業では、経営者の年齢構成を見ると、60歳以上が過半数を占め、70代以上も25%を超えています。
この高齢化と並行して中小企業の後継者不足も深刻化しており、60歳以上の経営者のうち48.7%が後継者不在の状態にあります。2023年の調査では日本全体の企業の後継者不在率が53.9%に達し、中小企業の事業承継が大きな社会問題となっています。日本全国には359万社以上の会社があり、そのうち99.7%が中小企業であることを考えると、その影響は日本経済全体に及びます。
こうした状況が中小企業のM&A市場に「売り手市場」をもたらしています。現在のM&A市場は売り手よりも買い手が多い状態であり、売り手企業は複数の買い手から選択できる有利な立場にあります。従来は家族経営の中小企業では親族内承継が一般的でしたが、後継者難により第三者へのM&Aが増加しています。
2020年には後継者不在が原因の中小企業の倒産が452件に達し、休廃業・解散件数も4万件台で推移しています。今後も中小企業の経営者の高齢化と後継者不足の問題が続く限り、M&Aによる事業承継の需要は高まり続け、日本の中小企業と地域経済の活力維持のための重要な手段となるでしょう。

